在外研究 ・ ヨーク通信


ヨーク・シティ・フットボールクラブ
2004/05シーズン最終戦(4月23日)






イギリスでスポーツといえば、

何と言ってもフットボール!

日本でいうサッカー。






新聞のスポーツ欄などからすると、

次に人気があるのがラグビークリケットと自動車のフォーミュラワンで、

その次がスヌーカー(ビリヤードみたいなやつ)。



だいぶ日本とは違いますね・・・。



その他のスポーツはほとんど結果だけしか報じられないくらいですが、

(国民的アイドルであるポーラ・ラドクリフが出る女子マラソンと、

早慶レガッタのお手本であるオックスフォード・ケンブリッジ対抗ザ・ボートレース等は別。

これらはすごい人気で数週間前から盛り上がります)


サッカーの扱いは完全に別格というか、

たとえ大事件、大事故が起こっても、

他のどんなニュースよりも大きく報じられるのがサッカーの試合です。





日本でもよく知られているように、

どんな小さな町でもサッカーチームを持ってるわけですが、

もちろんわがヨークにもあります。



ヨーク・シティFC

愛称 ミンスターマン




Minster というのは、もちろんヨークの象徴であり、誇りである、

ヨーク・ミンスター、ヨークの大聖堂のことです。





ミンスター

ヨーク・ミンスター




イングランドのサッカーの頂点は、

いうまでもなくプレミアリーグ(プレミアシップ)。

日本でもファンが多いマンチェスター・ユナイテッド、

ベンゲル監督(元名古屋。次期日本代表監督決定か?とBBCが報道!)のアーセナル、

そして今季圧倒的に強いチェルシーなど

20チームで構成されている世界最強(とイギリス人が信じている)リーグです。



まぁ客観的に見ても、イタリアのセリエAと同じくらいで、

世界最強のひとつではあるでしょう。


この前のヨーロッパ・チャンピオンズリーグでは、

プレミアシップ5位のリバプールがユベントスに勝ったくらいだからね。





さて、このプレミアシップの19位と20位のチームが降格して

その下のチャンピオンシップにまわる(18位はプレーオフへ)というのも、

吹田の宝、稲本選手などが参戦してる関係で、

いまでは多くの日本人が知ってると思います。

日本で言えば、J2です。

チャンピオンシップの参戦チームは、現在

ウェストハム、リーズ・ユナイテッド、カーディフなど24チーム。



でも、その下がどうなってるかというのは、

よほどのサッカー好きじゃないと知らないのでは?



私もこっちに来る前までは外国のサッカーの事なんて全然知らなかったのですが、

実は まだまだこの下がある のです。



チャンピオンシップの23位以下は、

リーグ1というのに降格します。(22位はプレーオフへ)

リーグ1も24チーム。

もうこの辺になると、日本人が知ってるチームはほとんどないでしょうが、

ハル、ブラッドフォード、ブラックプールといった、

それなりに有名な(そうでもないかな?)都市のチームが現在リーグ1所属です。



ところが、まだその下があって、

リーグ1を降格になると、リーグ2。



ここまでくると、大都市はほとんどなくて、

小さな町が多くなってきますから、

チーム名(都市名)を聞いても、ふつうの日本人は全然知らないかも。



でも、杉本ゼミなら必ず知ってる町のチームがひとつあります。





ロッチデールFC

愛称デール!!!





ロッチデールは、今季リーグ2(上から数えれば、第4部というところ)の10位です。


上から全部通算すると、イングランドで78位ってことになるでしょうか。




弱くて逆に有名なんだよね、ロッチデール



Rochdale Observer

歴史上イングランドでいちばん成功していないプロフットボールチームと
評される Dale を懸命に応援する地元紙 『ロッチデール・オブザーバー』





じゃあ、われらがヨークはどうかというと・・・










ここまでのリーグには入っていません。



去年までは何十年もずっと入っていたんだけど、

昨年の成績が最悪で、

ついにリーグ2からも降格!



もうここから先は、

サッカーで飯を食ってるような人(のなかのごく一部の人)以外、

まず確実に日本人は誰も詳しいことを知らないでしょうが、




4部に分かれたフットボールリーグの下に、

さらに落ちこぼれ用リーグ戦があるのです。






コンファランス !!!




ヨークは現在、

この プロサッカー選手の最底辺 といわれるコンファランスに所属して、

リーグ復帰をめざしているのです。






コンファランスは22チーム。

チーム名というか都市名(あるいは村名というべきか)をあげると、



Aldershot, Stevenage, Morecambe, Crawley Town, Canvey Island ........



うーむ・・・



誰も知らないでしょう? 

コンファランス所属の町で、

私がイギリスに来る前から知ってた町と言えば、

ヨークとハリファックスくらいです。


あとは今でもどこにあるのか、

全然聞いたことない町ばかり。







ここまで落ちたか、ヨーク・シティ・・・







おかげで地理の勉強になって良かったんだけどね。



たとえばタムワースなんて町、知ってる日本人は

1億2000万人中50人もいないんじゃないでしょうか。

でも自分はコンファランスのフットボールで知ってた(ヨークに勝ちやがった)ので、

タムワースの協同組合の本を見つけたとき、





「あっ、タムワースだ!」



と思ったりしました。



さてコンファランスでは、ホームとアウェイで1戦ずつ、

各チームが計42試合ずつを戦います。

勝つと勝ち点3、引き分けが勝ち点1、負けが勝ち点0、の勝ち点制で、

1位になると即リーグ復帰。

上位5位までが入れ替え戦に進めるという仕組み。





逆に20位以下の3チームは、ここからさらに下に落ちることに。





もうここより下というと、

プロとも言えないような地域のリーグになってしまうんですが、

ヨークの順位はというと・・・


















17位!!!!!!











危なかった・・・



本当に一時はどうなるかと思いましたが、

ぎりぎりで降格を免れたという状態です。

ここ4ヶ月で監督は3人目、

こんな下のレベルの試合で負けに負け続け、

おそらく創立以来100年でいまが最悪の状況でしょう。




過去には、マンチェスター・ユナイテッドや、

あのアーセナルにも勝ったことあるんだよ。




いまやったら、たぶん15点くらい取られるだろうけど・・・





 そんなわれらがヨーク・ミンスターマンの今季最終戦が、

地元キットカット球場で行われました。

そのレポートを以下に綴ります。



つづきはクリック!



在外研究・ヨーク通信トップへ