3年次 前期

3年次前期は、19世紀の産業革命から現在までの社会経済を理解するために8つのグループに分かれて研究、発表しました。ここでは、教材として使用した文献と、発表を終えたみんなの感想を紹介します。


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5月16日 角山栄・村岡健次・川北稔『産業革命と民衆』河出書房新社、2001年
5月23日 紀田順一郎『東京の下層社会』ちくま学芸文庫、2001年
6月6日 鹿野政直『日本の現代』岩波ジュニア新書、2001年
6月13日 日本生活協同組合連合会『新版 生協ハンドブック』コープ出版、2001年
6月20日 アラン・ダーニング『どれだけ消費すれば満足なのか』ダイヤモンド社、1996年
6月27日 鶴見良行『バナナと日本人』岩波新書、2001年
7月4日 倉部誠『物語 オランダ人』文藝春秋、2001年
7月11日 川口清史『ヨーロッパの福祉ミックスと非営利・協同組織』大月書店、1999年



<テーマと感想>
5月16日 『産業革命と民衆』
橋本佳子:「ロンドン万国博から見る産業革命」

『産業革命と民衆』では、産業革命における労働下層社会での多くの悲惨な状況が分かった。そんな状況にも確実に発展してきた産業革命。その成果ともいえるロンドン万国博について調べ、クリスタルパレスをはじめ、あらゆる展示品から、産業革命のすごさ、そしてその後に続く可能性を知ることができた。


松野七奈子:「産業革命がもたらしたレジャー(スポーツ編)」

発表という機会をもらい、産業革命時代の人々の生活について研究し、いろんなことを知ることが出来て良かったと思う。当時の(豊かな)イギリス人たちは様々なレジャーを楽しんでいたようだ。発表ではスポーツについてただ「こんなことがあった」という事実を発表しただけで、議論できるような発表が出来ず後悔している。サッカーに関してはもっと協同組合とつなげて調べればよかったと思った。

濱下あゆみ:「産業革命時代の食生活」

『産業革命と民衆』では下層市民が中心に取り上げられていたので、ここで上流階級の食生活について調べ比較することによって、ヴィクトリア時代の貧富の差が非常に大きいことを実感することができておもしろかった。



5月23日 『東京の下層社会』
大岡初菜:「東京の下層社会〜娼婦問題について〜」

この問題は、調べれば調べるほど悲惨な実態を知ることになり、同じ女性として、目を覆いたくなるようなことばかりでした。でも、戦前の日本の社会はこのような事が成り立ってしまったということを知ることができて良かったです。おもしろい発表というのは、質問がたくさん出るものだと思いました。私の時はほとんど質問がなかったので、もっと深い内容まで調べるべきだったと反省しました。


小池滋子:「釜ヶ崎について」

私は、釜ヶ崎における日雇い労働者や野宿者について調べました。不安定な生活をしいられている彼らを取り巻く環境は不況に伴う仕事不足や高齢化などによりさらに厳しくなっています。そんな中、『釜ヶ崎支援機構』では野宿者の自立を目指す取り組みが始まり、また国会でも『ホームレス自立支援法』が2002.7.17に可決されました。日本が抱える切実な問題の一つとして、これからも理解を深め考えていきたいと思います。


矢追和美:「糸をつむぐ『籠の中の鳥』たち〜女工問題について〜」

『東京の下層社会』を読んで私と年齢の変わらない女の子が過酷な労働になぜ耐えていかなければならなかったかに疑問を持ち、このテーマを調べました☆今の時代では考えられない過酷な労働条件や生活条件に耐えていかなければならなかった彼女たちを知って、明治時代の発展の影を見た気がしてとても考えさせられました☆



6月6日 『日本の現代』
東條文武:「公害と環境〜ダイオキシンについて〜」

環境問題、ダイオキシンについて調べました。ダイオキシンが怖いものだということが改めてわかりました。もっと上手く発表出来たらなと思いました。


中須賀太志:「高度成長がもたらした住宅〜千里ニュータウンからみる〜」

千里ニュータウンを例にして、高度成長期にできた住宅が今どのような課題を持っているか調べました。もっと自分の意見を入れながら発表すればよかったと思います。


浜崎光生:「沖縄の基地問題について」

沖縄が抱える問題について関心を持っていたので、興味深く調べることができました。研究内容が中途半端になったことが反省点です。



6月13日 『生協ハンドブック』
西野和樹:「食料品問題〜食品添加物について〜」

食品衛生法で認可されていない食品添加物を使った食品が世間をにぎわせている。食品添加物とは聞いたことはあるが、では一体どういうものなのかという疑問からこのテーマについて調べてみました。調べてみたところ、安全性に疑いがあるものも少なくはなく、調査が満足にされていないという実情があった。また我々消費者も身近である食品についてもっとよく知る必要性があると感じました。

 
久保陽子:「環境を守る活動」

生協の21世紀理念の中にある「持続可能な社会の実現」という言葉をキーワードにし、生協が取り組む環境保全の活動について調べました。特にその中でも生協が考える環境に配慮した商品について実際に近くのコープへ足を運び自分の目で実物を確認しました。生協では環境への負荷が少ない省資源・省エネルギーでつくられた商品として、「再生紙製品」「無漂白紙製品」「再生ペットを利用した製品」「詰め替え用製品」などが力を入れて開発されています。店内に販売されている日用用品のなかでも特に生協がこだわる洗剤(石鹸洗剤)に焦点をあてました。他のスーパーでは、ほんの少ししか置かれていないのに対し、生協では広いスペースを利用し、また石鹸洗剤のメリットを強調した説明書きが置かれていました。洗剤一つに目を向けても生協が環境問題に対する取り組みの奥深さを感じました。今回の発表で原料や素材にもっと注意を払うということの必要性を強く感じました。

福田友絵:「生協と消費者と商品」

生協がどのように消費者の意見を取り入れているのか、また商品作りに際してどのような活動を行っているのかについて調べてみることによって、生協の今まで見えていなかった部分を知ることができました。



6月20日 『どれだけ消費すれば満足なのか』
志良堂栄介:「自動車社会に関する様々な環境」

車が好きなので自動車社会の問題について調べてみたが、自動車の過剰な増加による問題は予想以上に深刻で驚いてしまった。発表直前は車社会に対する疑問を投げかけた本ばかり読んでいたので、少しクルマ嫌いになってしまった。でも、どんなに環境に負荷を与えても、やっぱり車は素晴らしい乗り物だ!!

青田咲知子:「ドイツからみる環境問題への取り組み」

消費社会の結果、今日、世界中で様々な環境問題が深刻化している。そこで環境先進国といわれるドイツは、どのような環境対策を行っているかを調べました。日本人とドイツ人の環境問題に対する意識の違いがはっきり分かった。発表に向けては、案外調べてみると楽しくて自分でもよく頑張って準備したと思う。



6月27日 『バナナと日本人』
長尾裕美:「エビ消費大国、日本」

日本に輸入されているエビのことについて調べました。私たちが普段何気なく口にしているエビだが、その背景にはインドネシアの人々の過酷な労働や、マングローブ林の破壊など私たちが想像もつかない様々な問題がありました。このような事を知り、私たちはエビをたやすく口にしてよいのでしょうか?私たちはもっとエビの背景にあることを知るべきだと思いました。

森本陽子:「フェアトレード〜もう一つの貿易を求めて〜」

北問題という背景をふまえた上で、フェアトレードの説明や問題点、さらにはフェアトレードの新たな担い手として期待されている生協での活動例の紹介などをしました。日ごろ聞きなれない話題なだけに、いかに分かりやすくみんなに伝えるかという点にばかりとらわれて、面白みに欠けてしまったのではという気がします。フェアトレードは本当に自立を助けられるのか、これからすべきことは何か、討論の後も考えさせられることはたくさん残りました。



7月4日 『物語 オランダ人』
岩坪恵未:「ワークシェアリング〜オランダから学ぶ〜」

ワークシェアリングとは「雇用機会、労働時間、賃金という3つの要素の組み合わせを変化させることを通じて、一定の雇用量をより多くの労働者の間で分かり合うこと」です。このワークシェアリングが一般的なオランダから日本は一体何を学べるのか、また、これを利用すれば日本の労働における諸問題は解決するのだろうか、最終的にその問いに対する自分の答えを発表しようと思っていましたが、結局、オランダと日本を比較するだけで終わってしまいました。ただ、オランダに学ぶことがたくさんあることは事実です。例えば、政府・企業・労働者が協力し合って経済を立て直そうとする姿勢です。日本でも三者が本気になって協力すれば、今の最悪な状況が少しでも変わるのではないかと思います。


廣田光穂:「麻薬政策からみるオランダ」

オランダの麻薬政策からみるオランダモデルをテーマにしました。やっぱり調べるのは興味があることがよかったからオランダモデルと呼ばれている中で麻薬政策をやりました。オランダの麻薬政策は綺麗事ではなく、現実をしっかり見つめていて、今後の他国にとってお手本とすべきものだと思いました。麻薬政策においては、個々人を尊重したオランダの考えが麻薬政策の成功を導いているのではないでしょうか。ただオランダモデル全体として何が鍵となっているのかっていう答えに上手くたどり着けませんでした。麻薬の方に力を注ぎすぎて、オランダも出る全体をつかめなかったのが反省点です(>_<)



7月11日 『ヨーロッパにおける福祉ミックスと非営利・協同組織』
松嶋香織:「保育協同組合〜スウェーデンと日本からみる〜」

新しい協同組合が生まれてきているスウェーデン。その中で保育協同組合を選び、公立の保育園と協同組合の保育園と違いがあるのか調べた。スウェーデンには二種類の両親保育所協同組合とワーカーズコープの保育協同組合があり、日本にも「アトム保育園」という協同保育園があった。アトム保育園にはとても興味を持ったが、少し焦点がずれた発表になってしまった。反省。

森田有記:「日本の老人ホーム事情〜公的介護保険が導入されて〜」

福祉事業における非営利の可能性を考察するため、老人ホームを調べました。介護保険を調べすぎて、まとめきらずに発表してしまったので、上手く伝わらず反省しています。介護保険が導入されて、福祉事業における非営利組織の大いなる可能性に大変興味を持ちました。福祉事業における生協の今後の活動にも期待したいです☆



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