2008年度杉本ゼミ3年次「専門演習」履修要項


・テーマ
 21世紀におけるあたらしい社会経済のあり方−「生活者」の立場からの考察


・演習内容

 20世紀の経済社会は「生産」「効率」「競争」「利潤」をキーワードとしてきました。しかし21世紀を迎えたいま、それに代わって「生活」「公正」「協同」「非営利」を基本原理に掲げる「第3の社会経済セクター」(協同組合やNPOなどからなる「非営利・協同セクター」)が注目されています。共同研究と個々人の論文作成を通じて、その可能性と問題点を探ることが、この演習の課題です。

 具体的には、まず3年次の最初は、各自の問題意識を深めるとともに、専門文献を「読む」能力、論理的な文章を「書く」能力を養うため、何冊かの入門文献を読み、書評を書いてもらいます。また図書館などを活用して「調査する」方法、そしてその結果を「発表する」技術を学ぶために、消費者や生活者をめぐるさまざまな問題について、共同研究を行います。そしてできるだけ速やかに各自卒業論文のテーマを確定し、それからじっくりと1年以上をかけて、自分が設定したテーマについての調査・研究を行い、最終目標である卒業論文の作成に励むことになります。

 これまでは生協の商品や事業について論文を書く学生が多かったのですが、「売れる商品」「儲かる商売」という視点ではなく、「消費者や生活者の視点」から、あるいは「環境問題や福祉の観点」から、問題を考えるという学生が多いことが、このゼミの特徴となっています。これまでのゼミ生による共同研究や卒業論文について詳しくは、杉本ゼミのホームページ(http://roo.to./sugim/)を見て下さい。


 ・ 教科書 参考書
2008年度については未定ですが、これまで使用した文献は前掲ホームページを見て下さい。

・ 応募者への要望
 ゼミというのは基本的に学生が自身の手で運営すべきものだと私は考えています。高い授業料を払って(払って貰って)いるのだから、その分を取り戻し、一生の思い出をつくるぞ、という意気込みを持つことを参加メンバーには期待します。大学におけるゼミでの勉強というのは、力をいれてやれば実は結構楽しいものなんだということを皆さんにもっと知って欲しいと思うのです。これは絶対に嘘ではありません。皆さんの先輩たちが異口同音に言っていることです。「生協」を卒業論文のテーマとする学生が多いことから、本ゼミでは「生協総合研究所を訪問する東京旅行」「明治大学政治経済学部中川ゼミとの交流会」「京都生協店舗実習」などの行事が例年企画されています。こうした諸行事も含めて、関西大学パワーを存分に発揮し、「ゼミ中心」の大学生活を満喫して欲しいと思います。なお、第1回の顔合わせを2008年3月15日の午後から夜にかけて行いますので、必ず時間をあけておいて下さい。


・ 申込条件
前掲の杉本ゼミ・ホームページ(とくにそのなかの「ゼミの思い出」のページ)を読んで、自分もこういうゼミ生活を送りたい、と思った人だけ申し込んで下さい。つまり学生生活最後の2年間、ゼミに全力投球してみたい、と考えていることが申込条件です(演習がある曜日の午後は「ゼミ最優先」となりますので、夜間を含めて時間の確保をできるという人だけ、申し込んでください)。


・ 履修すべき授業科目
 「協同組合論」「生活協同組合論」(単位修得済みであるか、単位修得中であること=講義に出席していること、を前提として演習を行います。)


・ 履修を希望する科目
  「流通問題特殊講義」や「英語で読む流通」など流通コースの諸科目